「情報銀行プラットフォームを成長させるUI×基盤開発・アプリ開発×データサイエンス」(イベントレポート前編)

情報銀行プラットフォームを成長させるUI×基盤開発・アプリ開発×データサイエンスのアイキャッチ

マイデータ・インテリジェンスさんのイベント、「情報銀行プラットフォームを成長させるUI×基盤開発・アプリ開発×データサイエンス」(2019年11月19日に開催)に参加してきました!

プレゼンテーションの様子

260人くらいの参加申し込みがあって、参加枠は60人。わたしは運良く抽選に当たって参加できました。

ちなみに、このマイデータ・インテリジェンスさんという会社は、電通系の企業みたいです(2018年9月に電通テックさんが設立した会社とのこと)。

2019年から事業者認定が始まった情報銀行。メガバンクも参入するなど、注目度も増しています。電通グループのマイデータ・インテリジェンスは日本でも先駆けて事業者認定を取得し、情報銀行を展開しています。

  • 生活者が安心して快適にデータを登録できるUIUXはどのように設計されたか?
  • 情報銀行を加速させる基盤開発・アプリ開発はどのようにされているのか?・取得されたデータを
  • どのようにサイエンスして、ビジネス活用しているか?
今回のイベントでは、情報銀行を事例にデータ取得するUI・基盤開発・アプリ開発・データ分析についてお話をうかがいます。

新規事業やデータビジネスに興味があるエンジニア、データサイエンティスト、UIデザイナーの方はぜひご参加ください!

TECH PLAYのイベントページより

このイベントに参加した理由

今の仕事はぜんぜん情報銀行と関係ないけど、興味があったからです。

今までは、企業側の都合で、キャンペーンなどによって集められることが多かった生活者のデータ。それを個人そのものが主体になって、データを活用させていける世界を作るのが”情報銀行”…だと思っています。

企業はマーケティングに活かせるから個人のデータを収集していたわけだけど、じゃあ個人はどんなメリットがあれば自分からデータを提供するのかな? とか、そのへんはわからないものの取り組みとしては面白そうだな、って。

PCと個人情報

とはいえ、ただ集めても活用できないだろうし、そもそもデータの型が違えばまとめて扱えないし、大変だろうなと思います。

(1)情報銀行の世界

一番最初は、COO(最高執行責任者)の森田さんのお話から。

情報銀行が現状どういう形で進んでいるか、今後どうなっていきそうか、を簡単にまとめてお話されていました。

今回のイベントの参加者は8割くらいの人が「情報銀行を知っている」と事前アンケートで回答していて、でも一般の人に調査をしたら、それが2割以下だったのだとか。

そもそも情報銀行って何?

情報銀行とは…

  • 「個人のデータを預かる場所」であり、
  • 「個人の同意を得た上で、企業にデータを提供」して、
  • 提供されたデータで「企業がサービス改善や商品開発に役立てる」ことができるようにしていくもの

とのことでした。

たぶんいろんな考え方があって、上記には当てはまらない情報銀行もあるのかなとわたしは思います。サイバーエージェントさんの情報銀行では、データは利用者のスマホアプリ内に蓄積されるらしいので、”預かる”とはちょっと違うのかも?(『情報銀行のすべて』(編著:花谷昌弘・前田幸枝、発行:2019年)で少し触れられていた気がします)

データにもいろんな種類がありますが、情報銀行が扱うのは、「個人を特定できるデータ」。それは企業経由で蓄積されるものもあれば、生活者から直接登録してもらうものもあるそうです。

森田さんが強調されていたのは、「GAFAを目指すわけじゃない」ということ。なぜなら、情報銀行はGAFAのように集めた情報を独占的に活用していくものとは異なるから。個人個人が自分のデータを預けて、データを自分の判断でコントロール・運用していき、そしてさまざまな産業に活用されていくようにするのが情報銀行なのだそうです。

ちなみに、今年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、安倍首相がDFFT(Data Free Flow with Trust)という考え方に言及しています。信頼(Trust)が確保された自由なデータ流通の構築を進めていく際には、情報銀行という存在が様々な課題のひとつの解決策になるのではないか、ということでした。

また、情報銀行市場にはいろんな業種の企業が参入を検討していて、「基本的に、その事業ドメインに沿った形の情報銀行が増えてくるだろうと思います」と森田さんはお話されていました。その中で、マイデータ・インテリジェンスさんは、身近な生活・日常の行動データや健康領域のデータをまずは預かり、みんなが欲しい情報を的確にもらえる環境づくりをしていくそうです。

長くなるので、あとは簡単に

ほかには、「情報銀行の存在は個人・社会のそれぞれにメリットをもたらす」「企業がデータを集めて活用するのにいろんなリスクや課題を抱えることになるが、情報銀行の機能がそれらを解決していけるだろう」「情報銀行事業者の認定制度があるよ」ということをお話されていました。

感想

今回のイベント前に情報銀行のことはあまり勉強していなかったので、説明ぜんぶを理解しきれなかったです。情報銀行って難しい!

「GAFAとは違う…のかな?本当にそうなるのかな?」とか、「個人にも社会にもメリットをもたらすようにデータを活用していくには、まだまだ道のりが長そうだなあ」とか、いろいろ考えたセッションでした。

(2)情報銀行のUIUX

続いて、コンテンツ開発ユニットリーダーの多田さんから、「情報銀行として抑える必要があるUI/UX」「MEYアプリのUI/UXから考える情報銀行」の2つのテーマでお話がありました。

情報銀行として抑える必要があるUI/UX

情報銀行のUIUXの中でも特徴的なのが、「規約の分かりやすさ」と「データ提供履歴でのユーザー体験」なのだとか。

「いろんなサービスを使うときに利用規約を読む機会があると思いますが、みなさんちゃんと読んでいますか?」と多田さん。正直なところ、多田さんご自身もだいたいOKでしょ、と読み飛ばしてしまうことが多いそう。わたしもそうです…。

利用規約って「すんごい長い」し、「文字ばっかり」だし、「読むのが面倒」だから、だいたい読み飛ばしてしまいますよね、と。でも、利用規約はとても重要なもので、情報銀行においてはちゃんと規約を理解してサービスを使ってもらわなければならないとのこと。

そこでマイデータ・インテリジェンスさんの情報銀行アプリMEYでは、最初は文字だけだった利用規約をいろいろ改善していった結果、特に理解してもらいたい部分を「図解入りの4コマ」にしたそうです。その4コマ全てを表示させないと、登録を進められない仕組みになっています。

そのほかの部分に関しても…

  • 「ご注意事項」や「個人情報の取り扱い」などをエリアごとに分けて記載
  • 記載内容をすべて表示させないとチェックボックスが活性化しない
  • チェックボックスにチェックが入っていないと登録ボタンが活性化しない

というように、ちゃんと確認してもらえるように工夫されているのだそう。

でも、今後も引き続きわかりやすさをどんどん追求していきたい、とお話されていました。

また、「データ提供履歴でのユーザー体験」については、

  • 自分のデータを提供した履歴を確認できる
  • データ提供先、データ項目、利用目的を確認できる
  • データ提供の同意の撤回とデータ利用停止依頼ができる

という機能をわかりやすく使いやすくしている、というお話でした。

MEYアプリのUI/UXから考える情報銀行

MEYアプリのホームUIの検討プロセスは…

STEP.1
ゴール設定
どのサービスのアプリでも、初回で落ちる人が多い。
だから、「初回での利用体験を充実させて、2回目の来訪につなげる」ことをゴールに設定。
STEP.2
ペルソナ設定
どんな人が対象になるか、軸を作ってみる。
その軸を組み合わせて図にして、「狙いたい人はこの部分の人なんだけど、実際パイとして多いのはこのあたりの人で、さらに現状親和性があるのはこの部分の人で…」といろんな角度から探る。
STEP.3
UX要件出し
「新しいサービスに抵抗感がない人、PayPayが出てすぐ使ったような人」をまずは狙うことに。

そういう人にはサクサクとタスクを消化していくタイプのものが良いのではないか、と考えた結果、タスクをカード状に並べるものになった。

スライドでは、「懸賞大好き」「ハック大好き」「いまどき」など、いろんなペルソナをまとめたものが表示されていました。

こうして作られてきたMEYアプリですが、インタラクティブな体験、CRMに基づくコミュニケーション、データ提供オファーやデータトレードを支える運用の改善など、いろいろ実現できていないことがあるそうです。

そして今後のアプリ改修で解決したい課題は、「情報銀行」サービスの概念の浸透と定着、とのこと。どんなアプリにしていくとイメージがわきやすくて、みんなに使ってもらいやすいかを検討されています。

銀行という名前もあるので、「自分のパーソナルデータを貯蓄して、ちょっと利子が付くような形でたまっていき、リワードという形で利益を増やしていく」をUIで表現できれば、情報銀行というものがわかりやすく使ってもらえるのではないか? と考えているそうです。

感想

利用規約の大事な部分が4コマで表現されているのって、すごく良いなと思いました。今まで利用規約をちゃんと読んだことがなかったですが、最低限これだけは! っていう部分が4コマになっていれば、そこだけはちゃんと見ることになりそうです。

そういう部分を利用者の努力に任せるのではなく、アプリ側の工夫で正しく進められるようになるのは、ステキだなと感じます。UIUXを考える人ってすごい!

また、「情報銀行って何かよくわからない」という人はわたしを含めてたくさんいます。そういう状況の中、アプリのUIUXで「情報銀行ってこういう便利なもので、こうやって活用していけばいいんだ!」っていうのがわかりやすくなるなら、きっと情報銀行は生活者にとって身近なものになっていくんだろうなと思いました。


長くなってしまったので、続きは後編へ!

イベントレポート後編

情報銀行プラットフォームを成長させるUI×基盤開発・アプリ開発×データサイエンスのアイキャッチ 「情報銀行プラットフォームを成長させるUI×基盤開発・アプリ開発×データサイエンス」(イベントレポート後編)