<ゆるふわ雑記-001> 大学編入試験と数学

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「暗記しなくていい、忘れても導き出せばいいから」

当時わたしは私立大学2年生(関西風に言えば2回生)で、国立大学経済学部3年次編入の受験勉強真っ只中でした。季節は秋から冬にさしかかったところ。こたつの向かい側にいるのは当時大学4年生の恋人、今は夫である人物で、わたしは試験直前になってもちんぷんかんぷんの数学を教えてもらっていました。試験科目に数学があり、わたしは苦手、彼は得意だったからです。

そこで飛び出したのが冒頭のセリフで、公式を丸暗記しようとするわたしを彼は不思議に思っているようでした。「なんで覚えるの、暗記なんかしなくていいんだよ」、そう言う彼の持つボールペンはスラスラと紙の上に綺麗で調和のとれた数式を生み出し、「ほら、出てきたでしょ、公式」と付け加えられます。

わたしの中で、高校まで教えてもらっていた”算数・数学”というものは、解きかたを覚えて問題を攻略していくゲームのようなもの。だから公式を暗記してきたし、試験で出題される問題のタイプをいろいろ覚えて対応してきました。でも、大阪大学基礎工学部電子物理科学科とやらにいるこの男にとっては、数学はそんな無粋なものではないようです。

いやでも、急にそんなやりかたを教わっても、脳みそが追いつかないというか。もう、ぽかーんとしちゃって。そうしたら相手が「何かわからなかった?」みたいな困った顔をするので、わたしも困った顔をしました。わたしと彼では、数学というものの概念そのものが違うみたいです。なんとか少しでも彼のやりかたで数学と仲良くしようとしましたができず、そもそも経済学のこともよくわからないままで、結局その年の経済学部編入試験はすべて落ちました。

ちなみにその翌年には神戸大学の経済学部に合格しましたが、じゃあ数学を理解するようになったのかというと、やっぱりほぼ暗記に頼ってしまいました。いつか、丸覚えじゃなくて数式の仕組みや流れを理解しながら数学を身につけたい…そう思って今少しずつ算数・数学の勉強をしています。