「どうやってデータアナリストになったんですか?」という質問をたまにいただくので、自分語りの記事でもごく少数は需要があるということで、今回書こうと思いました。
結論から言うと、なんでデータアナリストになれたのか、自分でもよくわかりません。というか、自分がデータアナリストなのかも怪しくて、データ分析を中心にあれこれやる便利屋さん、が一番しっくりきます。
案件ごとに、「データアナリストのNanaさんに入ってもらいます」「今回分析周りをいろいろ作業してもらうNanaさんです」「データからクリエイティブまでプランニングできるNanaさんです」…と自分のことを紹介される言葉がバラバラなので、もうなんでもいいやという気持ち。データアナリストでもプランナーでも、任された役割をがんばろう、と思う毎日です。
目次
◆ 経歴をざっくりと。
イノシシが出るような自然豊かな山の中にある、某国立大学の経済学部を卒業しました。
(その前に、関西で一番美しいキャンパスがある某私立大学の文学部ドイツ語学科を中退→半年くらいニート→某国立大学に編入、という流れがあるのですが、話が長くなるので省略します)
論文は、経済システム論の中でも福祉国家について、ちょっとしたことを書いて、なんとか卒業させてもらえました。
あんまり経済学のことはわからないまま卒業してしまい、後悔しています。なんであんなにアルバイトばっかりしてたんだろう…(とにかくお金がなかったのもあるけど)。もっといろいろ勉強したかったな、大学院も行ってみたかったな、と今さらながら思います。
ちなみに大学のときは、主にgretl(グレーテル)とRを使っていました。
就活は、広告業界の企業を中心に、お酒のメーカーさん(お酒好きなので)とか銀行とかを合わせて10社くらいとりあえず受けたはず。記憶が薄れてきているので、正確には覚えていません。その中で一番最初に内定をくれたのが、とある広告制作会社でした。そのままそこに入社することになります。
総合職採用ではなく職種別採用で、わたしはデータアナリストとして内定をもらいました。
広告制作会社といっても職種はいろいろあったのですが、大学で勉強したこと(計量経済学とか統計学とか)がデータ分析に活かせそうだったので、データアナリストの職を選んでいます。
大学を卒業して、データアナリストになりました。職場は東京にあります。ずっと関西にいましたが、就職ではじめて上京しました。
新卒入社時にすでに結婚していて(わたしが大学4年生のときに結婚。相手は2歳年上の男性)、旦那さんは関西で働いていたので、新婚でいきなり遠距離生活です。
東京に行けるのはうれしかったですが、引越し費用がとにかく足りなくて、大学生活の最後のほうはアルバイトばっかりしていました。
そして、データアナリストとして働いていくのだと期待に満ちあふれて入社しましたが、実際には思っていたのとちょっと違いましたね。データ分析そのものをするというよりも、資料用の大量のグラフ作成とか、データ活用以前の下準備とか、そういうのが多かったように思います。
育成担当の上司もデータアナリストではなくマーケター。Excelでの作業を振られてダルかったのでVBAで処理したり、Rを使ってワードクラウドを作成したりしていました。大学までずっとMacを使っていたので、渡されたPCがWindowsで苦戦しましたが、VBAなどもちょっと触れるようになったのは良かったです。
家庭の事情でいろいろあって、社会人1年目の後半に大阪へ戻ることになりました。
急遽、転職しないといけなくなり(しかもなるはやで就職しないと家賃などの支払いがヤバかった)、第二新卒として採用してくれるところを探すことに。
当時も今のようにリモートワークができれば退職しなくて済んだのかもしれませんが、毎日出社して働いていたので、大阪から東京での仕事を続けるという選択肢はなかったです。
東京でやっていたのと同じような仕事、つまりデータアナリストの募集を探しましたが、なかなか見つからず…。
というか中途で採用してもらえるほどのスキルもありません。データ分析は諦めて、コピーライターになることにしました。大学生のころ、クリエイティブ系の仕事を目指したいと思っていた時期もあったので、せっかくだしこの機会にチャレンジしてみようと思って。
で、コピーライターの未経験OKの求人がいくつかあり、何件か落ちましたが、1つ内定をもらえたのでそのまま入社。求人広告のコピーライターになりました。
文章を書くのは得意だと自分では思っていましたが、想像以上に書けなくて、毎日ダメ出しをされながら夜遅くまで働く日々。
徹夜したり土日に働いたりすることも少なくなかったですが、今となってはあのとき大量に書きまくってスキルを身につけられたのは良かったと思っています。
大阪での生活が落ち着いてきたころに、東京へ戻るチャンスがあり、今度は夫婦で東京に引越しました。
わたしはコピーライターをやめて、しばらくニート生活を満喫しましたが飽きてしまい…。
職業訓練に行ってお金をもらいながらHTMLやCSSなどを勉強しつつ(失業中だったので、学校に通えば雇用保険からお金が出るんです!)、次はどんなことをやろうかなーとぼんやり考えていました。が、比較的すぐに新卒で入社した会社に出戻りさせてもらえることが決まり、また広告業界でデータアナリストになりました。
で、今に至る。データ分析だけじゃなくてライターの仕事もしたいのですが、副業禁止なので、自分のブログで気まぐれに記事を書く程度です。
…この経歴、何か参考になりますか?
ここまで読んでも、わたしがデータアナリストとしてどんな仕事をしてるのか、まったくわからないですよね。
詳しくは書けないので書いていないのですが、「データ分析の仕事ってどんなもんなの?」っていうのがざっくりわかるかもしれない本を見つけたので、紹介しておきます。
『データ分析実務スキル検定 公式テキスト』(Amazonで詳細を見る、楽天で詳細を見る)
データ分析の仕事について、どんなことを実務でやっているのか、広くざっくり紹介されている本です。どうやってデータ分析するのか、じゃなくて、あくまでどんなことをしているのかの紹介って感じかな、と。
わたしがふだん仕事で使っている、SQL、R、Python、Excelについても書かれていました。それぞれちょっとずつだけど……。前処理についてもさらっとしか書かれてないけど……。
「データ分析の仕事って興味があるけど、どんなもんなんだろう? でも知り合いにデータアナリストとかいないから、直接聞けないしなあー」なんて人には一読の価値ありです。学生さんとか、新卒で入社したばかりの人には特に良いんじゃないでしょうか。
この本を読んだらデータ分析の仕事ができるようになるわけではないですが、どんなことをしているのかは何となくわかるようになると思います。
この本に出てくるもので、おもしろそうだと思ったり興味があったりした部分を、また別の本を読んで勉強していく、っていう流れが良さそうです。
ちなみに、この検定を1万円かけて受けることをおすすめはしないです(受けたことないのでそんなことを言う資格も無いですが)。その1万円で別の本(この本に載っている各分野の、より詳しい本)を買う方が役に立つと思います。
◆ 資格を取った時期
社会人1年目・24歳・データアナリスト1年目:無し
社会人2〜3年目・25〜26歳・コピーライター時代:無し
社会人4年目・27歳・データアナリスト2年目:基本情報技術者試験
社会人5年目・28歳・データアナリスト3年目:応用情報技術者試験
社会人6年目・29歳・(データアナリスト4年目):普通自動車運転免許 AT限定(大学生のとき、お金がなくて免許取れなかったので、社会人になった今やっと取りました…!)
本当はIPAの試験も何か受けたかったのですが、妊娠していて体調が悪く、受験を断念しました。
また、わたしの場合、資格を取ったからといって、特に会社からお金が出たり給与が上がったりすることはなかったです。
ちなみに周りからの評価でいうと、基本情報合格時は「この人、朝ちゃんと起きられるんだな」、応用情報合格時は「おっ、ちょっとは勉強できるんじゃん」って感じでした。
◆ ぶっちゃけ、年収どのくらいなの?
お金の話、大事ですよね。これからデータアナリストを目指す人が知りたい部分かもしれないので、正直に書こうと思います。以下の年収は、月給12ヶ月分+賞与の合計金額で、ざっくりの数字です。
まあこれも、書いたところで参考になるかわかりませんが…。
社会人1年目。年収300万円。
こんなもんかな、と思っていました。最初から○時間分の残業代が含まれた給料で、正直時給換算すると悲しくなります。
東京は家賃も高いので生活は余裕がなくて、大好きな日本酒を飲みにいくのもほどほどに。欲しい技術書があってもすぐ買えるわけではなく「今月はこれを買って、こっちは来月に回そう」といった感じです。
社会人2〜3年目。年収400万円。
月給でいうと、新卒時より下がりました(これも○時間分残業代込み、時給換算すると悲しくなる)。ただ、人材業界は当時景気が良く、ボーナスはそれなりにもらえたのでトータルでは新卒時より上がっています。
このときからおこづかい制になり(我が家は旦那さんが家計を管理)、毎月3万円もらっていました。ただこれだと、ちょっと飲みに行ったり美容院に行ったりしたらすぐお金がなくなって、欲しいものもなかなか買えません。読みたい本も十分には買えませんでした。
社会人4〜6年目。年収600〜750万円。
月給は、新卒入社時や前職(コピーライター)と比較してぐっと上がりました(が、これもやはり○時間分残業代込み。時給換算すると…)。なんで上がったんでしょうね、よくわかりません。出戻り時には、そんなにデータ分析のスキルは上がってなかったんですけど。
あと、ボーナスの割合が大きいので、景気でけっこう変動する感じです。
おこづかいは、旦那さんと交渉して毎月の手取りの○%にすることになり、5万円くらいもらえるようになりました。 読みたい本も値段を気にせず買えるようになってハッピー! 今は毎月、本・雑誌代で1.5万円くらい使っています。
いやー、わたし残業代が付く会社に入ったことないんだな!って改めて思いました。
(もちろん規定の残業時間を超過したら残業代が付く仕組みではありますが…その規定の時間がかなりの量なので…ね…一度もついたことが…)
◆ この先、ずっとデータアナリストとして働くのか?
広告業界って、おそらくみなさんのイメージ通りで、けっこう激務なんですよね。忙しさに波はありますが、出社した日は「朝10時に出社、夜22時半に会社を出て、帰宅は24時近く。お昼休憩の時間がなくて、デスクでキットカットを食べただけ。夕食はもういいから寝る」なんてことも多いです。
土日もなんだかんだで仕事のことを考えちゃって、業務に関わるインプットをしていたりするので、生活をかなり仕事に食われています。
でもこの仕事は好き。好きでやっているから続いているし、スキルもいろいろ身につけられてきました。
20代の今は体力で解決していますが、やっぱり将来的には、自分のこの先の働き方は見直すべきだと思っています。それに、会社や業界も変わってきていますからね。こんな働き方はできなくなってくると思います、やりたくても。
しかも今年妊娠・出産したので、もういよいよ今までのように時間で解決するやり方は継続できません。仕事・家事・子育てがある中で、これからどういう働き方ができるやら…。
やっぱり文章を書くのが好きだし、得意なので、ライターの仕事も受けていきたいなと思っています。いろんな人に読んでもらえて、反応があるのがうれしいから。
今働いている会社は副業禁止ですが、交渉するのか会社員として働くのを見直すのか、方法は考えていきたいです。
◆ まとめ:結局これはわたしの話なので、あなたがどうなるかはわからない。
身も蓋もない話になっちゃいましたけど、結局わたしとほぼ同じ経歴の人であっても、データアナリストになれるかどうかわかりません。なって良いことがあるかどうかもわからないですね。
でも、わたしはこの仕事が好きだし、データアナリスト(データ関連の便利屋さん? データ整備人?)になって良かったと思っています。この記事が少しでも誰かの参考になれば幸いです(なるのか???)。
◆ 2022年4月追記:Google検索で「データアナリスト 文系」で1位!

Googleで検索して、この記事を見つけてくださる人が多いようです。ありがとうございます!
少しでもお役に立てたでしょうか?
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