「人にデータ分析実務を教えることになっちゃったので、わからないなりに、いろいろ考えたことをまずブログに書いて整理してみよ!」という記事です。積極的に恥をさらしていくスタイル。
前の記事はこちら↓

ここに正解があるわけではなく、わたしがああでもないこうでもないと雑多に考えたものが置いてある感じです。
データ分析実務を教えるにあたって、主に参考にしているのはこちらの本です。広く浅く網羅されていて、「データ分析実務とは?」を理解するのにおすすめ!
『データ分析実務スキル検定 公式テキスト』(Amazonで詳細を見る、楽天で詳細を見る)
目次
◆ 非専門家で、仕事でデータ分析をする人、ってどんな人?
どういう人なんでしょうね。「自分でやってみたい!」と思った現場の人か、会社の上司から「データ分析やれ!」って言われて仕方なくデータ分析に取り組むようになった人か。そんなところでしょうか。想像ですが。
ここで、いつも参考にしている『データ分析実務スキル検定 公式テキスト』を見てみましょう。
データ分析の多くの技術は、必ずしもデータ分析の専門家の手を借りなくても活用できるものです。
(中略。ここでは表計算ソフトを使って仮説を検証している例え話が書かれている)データを扱うにあたってのちょっとした慣れと表計算ソフトの扱いを習得していれば十分でしょう(分析対象となるデータもcsvファイルのような形で与えられているとします。つまりSQLを書ける必要もありません)。
『データ分析実務スキル検定 公式テキスト』の第3章データ分析の活用とプロジェクト, p.50-51
ここを読んだら、非専門家でもやれそうな気がしてきます。
実際に、ちょっとネットで調べたり本を読んだりすれば、Excelでのデータ分析をやってみることはできるでしょう。データさえあれば、Excelで集計・可視化、回帰分析だってできますから。Excelなら、たいていどの会社でも使えますよね。
しかしわたしは、そんなにスムーズにはいかないだろうなと思います。
なぜなら、分析作業は簡単でも、そのためのデータを手に入れるのが意外と大変だったりするからです。
◆ データ分析までの長い道のり
「データ分析は魔法ではない。」
データ分析にできることは、「過去、現状、これから目指すべきところを理解すること」です。
データ分析をすれば何もかも解決するわけではなく、課題解決の部分はデータ分析の次のステップとなります。
また、データ分析はいろんな人と関わって、お願いして説得して議論し合って進めていくので、自分が思うようにはなかなかなりません。
パッと分析用のデータが用意されて、それをチャチャっとExcelで分析して、あれやこれやが見事に改善される。そんなことは、ほとんどないでしょう。
「何のためにデータ分析をしたい?」
どんな課題があって、仮説があって、データを見ていきたいと思ったのでしょうか。それを自分で人に説明できるなら、いい滑り出しだと思います。
とりあえずデータを使って何かしろと上に言われた? それはつらいですね。データ分析までたどり着くのも難しいかもしれません。途中で挫折しそうです。
この「何のために?」がわからない人は、こちらの本を読んでみると役に立つかもしれません。
『データ分析力を育てる教室』(Amazonで詳細を見る、楽天で詳細を見る)
難しい数式など出てきませんので、新入社員やデータ分析未経験の人にもおすすめできます。データ分析という取り組みの考え方を学べる本です。
「データはどこにある?」
課題や仮説があれば、自ずと見たいデータがどんなものか、何となくは想像できますよね。
そのデータは、自分の手元にあるものでしょうか? それとも、どこかにあるはずだが、どこにあるかわからないものでしょうか?
自分ですぐに使えるデータならラッキーです、そのまま次に進みましょう。
データが手元にない場合は、ここから大変です。
- データはどこにあるのか?
- 誰に頼めば出してもらえるのか?(どの部署の誰が担当している?)
- お願いすればもらえるものなのか?(断られるかも。その場合はどう説明・説得すればいい?)
- やりたい分析にはどの範囲(いつからいつまで? どこからどこまで?)のデータが必要?
- データの大きさはどのくらいなのか?
- どうやってデータを受け取るのか?
- ……
考えることが山積みです。自分ではわからなくて、いちいち人に聞いたり調べたりしないといけないかもしれませんね。
ここが、非専門家の人がつまずく1つ目の部分かな、と。
「データを手に入れる」という壁を乗り越えないと、データ分析ができません。
「データを手に入れた!」
最初から自分で使えるデータ、もしくはがんばって何とか手に入れたデータ。
さあさっそくデータ分析を……する前に、この列にあるデータは何でしょうか?
列名も英語や略語みたいで、何のことわからない。それを確認しないといけません。面倒ですね。誰に聞いたら教えてもらえるでしょうか?
もちろん、使おうとしているデータの中身がどんなものかわかっているならOKです、次へ進めます。
いやそれ以前に、もらったデータをExcelで開こうとしたけど開けない。固まってしまう。開けるがすごく重くなる。というトラブルにも見舞われるかもしれません。つらいですよね。
非専門家の人がつまずく2つ目の部分が、この「データの中身がよくわからない(そもそも開けない)」です。
「さあ今度こそデータ分析を!」
データの中身は教えてもらって把握した、さあいよいよデータ分析です。
集計・可視化方法がわからなくても大丈夫。ネットで検索したり、本を読んだりすれば、ほとんど解決します。自分がやりたいと思うことは、たいてい他の人もやろうと思うことですから。
これでババーンと結果を出して、それをもとに示唆出しをしていきたい! ……のに、何だか出てきたものが変な感じ。
「このデータは1年分あるけど、こっちは途中までしかない!なんで?」「150歳の人が10%くらいいる……これはどういうことだろう?」「同じ商品なのに、全角の名前と半角の名前、さらに略された名称の3種類になっちゃってる」
このように、使おうとしたデータに何か問題があることも。どうすればいいのでしょうか。データを出してくれた人に聞く、出し直してもらう、自分で何とかする、などしなければいけません。
データの出し直しを依頼したら、「来週対応します」だって? なかなか進まないなあ、なんてこともありそうです。
以上はわたしの妄想ですが、こんな感じで、データ分析をするまでに長い道のりがあります。
で、データ分析までのいろんな壁をこえたあとは、分析結果はすぐに出ます。そしてそこから、結果をもとにいろいろ考えたり実行したりするのがまた時間がかかる、という感じです。
わたし個人的には、こう思います。非専門家の人がデータ分析に取り組む際は、自分の分析スキルを上げることを優先するのではなく、まずは自分がデータ分析をするときに助けてくれる人(それは上司だったりデータを出してくれる人だったりデータ分析が得意な人だったり)を見つけてサポートしてもらえるようにすることが大事だ、と。
次は、「専門家のデータ分析」について考えて書いてみようと思います。
自分はこう思う、とか、こういう考えもある、とか、こんな本・サイト・動画も参考になるよ、とかあればぜひ教えてもらえるとうれしいです!
